Tatara

このマニュアルについて

対象とする読者

このマニュアルは、Z80のアセンブリ言語で自分のプログラムを作りたいと考えているMSXユーザー、とくにこれから始めようとしている人を対象としています。MSX-DOSの使い方、つまりドライブやディレクトリの切り替え、ファイルの一覧表示、プログラムの実行といった操作はわかっているものとします。しかし、アセンブラーやリンカーを使ったことがある必要はありません。

すでにアセンブリ言語でプログラムを作っている人は、2章を読み飛ばしてもかまいません。必要になりそうなリファレンス情報は、第II部と第III部、それに付録にまとめてあります。

このマニュアルで扱わないこと

このマニュアルでは、TataraとTanrenの使い方を説明します。Z80の命令セットや、それを使ったプログラムの設計・作成の方法は扱いません。それらについては、Z80のアセンブリ言語によるプログラミングを解説した書籍や講座を参照してください。

構成

このマニュアルは、4つの部と付録で構成されています。

第I部「はじめの一歩」

2つのツールが何であるかを述べ、アセンブラーとリンカーがどのように協力して働くのかを説明したあと、ツールをインストールして最初のプログラムを作るまでを案内します。

第II部「アセンブラー Tatara」

アセンブラーについて説明します。実行のしかた、ソース・ファイルの書き方、そして式や命令からマクロや条件付きアセンブルまで、言語のすべての機能を取り上げます。

第III部「リンカー Tanren」

リンカーについて説明します。実行のしかた、オブジェクト・ファイルを探して結合するしくみ、プログラムをメモリのどこに配置するのか、そして書き出せるファイルの種類を取り上げます。

第IV部「実例」

複数のファイルからなるプログラム、MSX-BASIC用のバイナリ、ROMカートリッジなど、よくある作業ごとに、完全なプログラムを実際に作ってみます。

付録

調べものをするためのものです。すべての疑似命令、命令、演算子、エラー・メッセージ、制限値を1か所にまとめてあります。

アセンブリ言語が初めての人は、まず第I部を順に読み、次に第IV部の実例を進めてください。実例に出てきたことをくわしく知りたくなったら、そのつど第II部や第III部を参照するとよいでしょう。経験のあるプログラマーであれば、5章と21章、それに付録を読めば、必要なことはほとんどわかるはずです。

表記について

入力する文字は、tatara hello.as hello.troのように太字のタイプライター体で示します。プログラムが表示する文字は、ERROR: undefined symbol in an expression.のように通常のタイプライター体で示します。

MSX-DOS2のプロンプトでの操作例では、その両方を示します。プロンプトはA:\>と表記します。カレント・ディレクトリがドライブのルート・ディレクトリでないときは、A:\SOMEDIR\>のように、プロンプトにそのディレクトリが含まれます。

A:\>tanren /v 
Tatara MSX Linker v1.2.0 
Copyright (C) 2026 Javier Lavandeira 
https://tatara.tools
 

本文中のファイル名は、HELLO.ASのように大文字で書きます。MSX-DOSも2つのプログラムも、ファイル名をこのように表示するからです。入力するときは、大文字でも小文字でもかまいません。

16進数は、アセンブラーが読むのと同じ形で、末尾にhを付けて書きます。たとえば0100hは16進数の100、つまり10進数の256です。

TataraとTanrenは、2つのツールの名前です。プログラムそのもの、つまり実行するファイルを指す場合は、TATARA、TANRENのように大文字で書きます。

注.  注は、役に立つものの、最初に読むときには飛ばしてもかまわない情報です。

警告.  警告は、作業の内容が失われたり、思ったとおりに動かないプログラムができたりするおそれのあることを示します。

対象とするバージョン

このマニュアルは、TataraとTanrenのバージョン1.2.0について説明しています。2つのツールとこのマニュアルの最新版は、https://tatara.toolsで公開しています。プログラムはhttps://tatara.tools/downloadから、このマニュアルで使うサンプル・プログラムはhttps://tatara.tools/examplesからダウンロードできます。